ゴボウの食物繊維は水溶性、不溶性とがバランスよく含まれており、強力な抗酸化作用で動脈硬化(どうみゃくこうか)予防やアンチエイジング、老化予防、生活習慣病予防にも効果が認められています。土がついて調理が苦手、アクが苦手な方も、今日から食べたくなる栄養素と超簡単レシピをご紹介いたします。
ゴボウの栄養素と働き

① 食物繊維が豊富
水溶性食物繊維ばかり摂ると下痢になり、不溶性食物繊維ばかり摂ると便秘になるとされています。
ゴボウにはそれらがバランスよく含まれ、腸内環境を整えるには最適な野菜です。
6大栄養素とは、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラル、そして、「食物繊維」です。不足すると、生活習慣病のリスクが高まるとされています。とくに、大腸がん予防に食物繊維を不足なく摂ることが大切です。
免疫機能の70%は腸内にあり、その腸内環境を整えることが先決で、大切です。食物繊維は便のカサを増やして、腸を刺激し、動かし、余分な老廃物、コレステロールもからめとり、体外へのスムーズな便通を促します。
さらに、食物繊維を含んだ野菜を食事に取り入れることは、ブドウ糖の吸収をゆっくりとさせ、血糖値が急激に上がることも防いでくれます。糖尿病の予防と改善にも有効です。
③ 「イヌリン」が糖尿病の予防と改善に有効
ゴボウには「イヌリン」というオリゴ糖の1種が含まれています。水溶性食物繊維の成分にあり、ビフィズス菌を増やして腸内環境を整える働きをします。腸内の掃除をし、便通の改善に働きます。
食後の血糖値の上昇を抑えて、ダイエット効果や、糖尿病の予防と改善にも有効です。
ゴボウ茶もおすすめです。アンチエイジング作用、老化予防にも有効です。腸内の悪玉コレステロールの吸収を抑え、血中の中性脂肪を低下させる働きが認められています。腸内環境が整い、身体の中からキレイを支えてくれます。
食物繊維を効率よく摂るには、繊維を断ち切り、細かくすることが秘訣です。
- ささがきゴボウ・・・えんぴつを削るようにするそぎ切り
- たたきゴボウ・・・包丁、めん棒などでゴボウをたたく
③ 強力な抗酸化作用「クロロゲン酸」
野菜がもつ天然の化学成分、ファイトケミカルに「クロロゲン酸」というものがあり、ポリフェノールの1種です。
ゴボウを水にさらしたときに出る、茶褐色の、アクと呼ばれているもの。これが「クロロゲン酸」というポリフェノール成分です。コーヒーにも含まれています。強力な抗酸化作用があり、ガン予防、動脈硬化(どうみゃくこうか)予防、老化予防のアンチエイジング作用が絶大です。
「クロロゲン酸」は長く水にさらすと失われてしまい、ゴボウの香り、風味、栄養価は皮と実の間にこそ詰まっているので、出来る限り「皮はむかない」「水にさらさない」で使いたい野菜です。皮はむかずに、たわし、金たわしで洗うのがおすすめです。
④ カリウム、マグネシウム、亜鉛が豊富
ミネラルが豊富に含まれています。カリウムが体内の余分なナトリウム(塩分)を排出し、むくみや高血圧の予防と改善します。
マグネシウムは心臓や膵臓(すいぞう)の働きを助け、心臓疾患、糖尿病の予防と改善にも有効です。亜鉛は「造血のビタミン」といわれ、新しい細胞の合成を助けるミネラルです。肌荒れや薄毛、傷の治りが遅くなったり、味覚障害を改善する働きをします。
選び方
- シャキッとして張りのあるものがおすすめです。くにゃっと曲がって、しおれているものは古いです。
- スラっとして、まっすぐなものを選びましょう。太すぎるものは中に「ス」が入っているものがあります。
- 土付きが比較的、長持ちします。
- ひげ根の少ないものを選びましょう。
保存方法

- 切らずにそのまま、乾燥させないように新聞紙などでくるみ、立てて常温保存できます。
- なるべく早く使いましょう。カビが生えたり、干からびたりして、食べられなくなります。
- 買ってきて、当日に全部を下処理し、(たわし、金たわしで洗って、一口サイズにカット)当日使う分の残りは、ジップロックに入れ、冷凍保存します。
- 1ヶ月で食べきるのがおすすめです。乾燥したり、味がぼやけてきます。
ゴボウを使った超簡単レシピ

ゴボウと鶏モモ肉の甘辛
ゴボウは、鶏肉、牛肉、豚肉、魚の煮つけなどと大変相性がよく、肉や魚の臭みを消し、お互いの味を引き立てます。食べ合わせの良い食材だと昔からいわれています。
腸内環境を整える食物繊維を、効率よく摂るには、繊維を断ち切るように細かくしたり、薄く切ったりします。ささがき、たたきなどがあります。介護めしには、出来上がりをミキサーでおろしすと、消化よく、食べやすくなります。
材料
ゴボウ、鶏もも肉、片栗粉、ごま油(サラダ油かオリーブオイルもOK)、市販の焼き鳥のタレ
作り方
- ① ゴボウ・・・たわし、金たわしでゴシゴシ洗い、鉛筆を削るようにささがきする(水にさらさないで使うのがおすすめです。)
- 鶏モモ肉・・・一口サイズにカット
- すべて、片栗粉をつけておく
- ② フライパンに油を入れ、①を炒め、鶏モモ肉は中まで火が通り、
- 表面がきつね色、ゴボウは透き通ってきたら、
- ③ 市販の焼き鳥のタレをからめて、完成です。

ゴボウサラダ
ゴボウは下処理と千切りに時間がかかります。おかずを3品つくるなら、あとの2品は手軽で簡単レシピにしておくのがコツです。
ゴボウの千切り冷凍食品も売っていますので、上手に利用してください。レンチンして、マヨネーズや好みのドレッシングで和えれば完成します。
- 材料
- ゴボウ、にんじん、マヨネーズ(好みのドレッシング)、塩コショウ
- 作り方
- ① ゴボウ・・・たわし、金たわしでゴシゴシ洗い、千切り(水にさらさないで使うのがおすすめです。)にんじん・・・千切り
- ② ①をレンチンし、塩コショウ、マヨネーズを合わせて完成です。
- (水気がでたら、軽くしぼります)

ゴボウ炊き込みご飯
麦、玄米、胚芽米、雑穀米などを使うと栄養価もアップします。好みの材料を一緒に入れ、一気に炊き上げる炊き込みご飯は、それだけでごちそうです。
市販の釜めしの素や、炊き込みご飯の素を使うと超簡単なうえに、(ゴボウはできるだけ生を使うのがおすすめです、忙しい時は冷凍もあります)食物繊維がたくさん摂れ、栄養価が高く、味の失敗もなくなります。たとえば、出来上がりの味が薄いとか、濃いとかです。
ゴボウは、たわし、金たわしで洗い、スライサーでスライスしてもOK。千切りしてもOKです。水にさらさないで使うのがおすすめです。

豚汁
ゴボウの香りが豚肉の臭みを消し、味噌とも相性がよく、好みの野菜をたっぷり摂れる、ごちそうスープ、味噌汁です。ゴボウや豚肉のビタミンB群が、疲労回復に効果があります。冷蔵庫のお掃除にもなるので、週1回作るようにすれば、残り野菜たちが片付きます。
ダシを効かせて、味噌の塩分をひかえれば、糖尿病の予防と改善、高血圧にも最適です。冷凍食品の和風食材を使っても、簡単にできます。ゴボウはせっかくですので、生を使いましょう。ゴボウはたわし、金たわしでゴシゴシ洗い、千切り(水にさらさないで使うのがおすすめです。)

たたきゴボウ
下処理をしてから、簡単にレンチンして、ジップロックに入れ、包丁やめん棒でゴボウの表面をたたきます。たたくことで、ゴボウの繊維がこわれ、味がしみやすく、消化吸収率がアップします。
市販の、完成された味のついた「三杯酢」をかければ出来上がります。すりごまをからめれば、香りもよく、栄養価もぐんとアップします。酢の物は日持ちもして、作り置きおかずにも最適です。2~3日くらいで食べきりましょう。
材料
ゴボウ、市販の便利なかけるだけ酢、すりごま、ジップロック
作り方
- ① ゴボウ・・・たわし、金たわしでゴシゴシ洗い、2~3cmの一口サイズにカット、
- さらに、太い場合は細くなるようにカット(水にさらさないで使うのがおすすめです。)
- ② ①をレンチンして、ジップロックに入れ、
- 包丁やめん棒で、トントンと軽くたたきます。
- 表面の繊維がこわれてくればOK。
- ③ すりごま、三杯酢、②を混ぜて完成です。
ゴボウは漢方薬としても、お茶にも使われ、その効能が認められている、栄養価の高い野菜です。
下処理に少し手間がかかり、土付きゴボウだと手も汚れますが、
「洗いゴボウ」「カットゴボウ」「新ゴボウ」、冷凍食品など使い分けて、不足しがちな食物繊維をかしこく摂って、生活習慣病の予防と改善にお役立てください。
介護めしには、出来上がりをキッチンハサミで細かく切ったり、ミキサーで流動食、スープ、味噌汁にして、柔らかく、のど越し良くすれば、完璧です。
まとめ
ゴボウの食物繊維は水溶性、不溶性とがバランスよく含まれており、強力な抗酸化作用で動脈硬化(どうみゃくこうか)予防やアンチエイジング、老化予防、生活習慣病予防にも効果が認められています。土がついて調理が苦手、アクが苦手な方は酢の物にしたり、甘辛く炒め煮などをしてみてはいかがでしょうか。
鶏肉や豚肉、魚とも相性がよく、味噌汁などにもごぼうを入れて料理してみましょう。ごぼうのファイトケミカルがきっと体を健康にしてくれます。最後までお読み頂きありがとうございます。
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