名医に聞く糖質制限食のQ&A

感謝の食事

認知症を予防する食事は糖質制限食でした。著者ドクター江部康二が教えてくれた「認知症にならない最強の食事術」。認知症を「成人病」「糖尿病」と言い換えればどうでしょうか。認知症は生活習慣病でこれらと深い関係があると言います。毎日意識することで将来が大きく変わってきます。でもこんな時はどうしたらいい?

著者 江部康二(えべ こうじ)

1950年、京都府生まれ。京都市右京区・高雄病院理事長。数多くの臨床活動の中からダイエット、糖尿病克服に画期的な効果がある「糖質制限食」の体系を確立。ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」(http://koujiebe.blog95.fc2.com/)にて糖尿病や糖質制限にまつわる情報を日々発信している。『「糖質オフ!」健康法 主食を抜けば生活習慣病は防げる!』(PHP文庫)、『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』(ダイヤモンド社)など、多数の著書がある。

名医が考えた認知症にならない最強の食事術(2020年6月24日 第1刷発行)

(解説、引用しています)

  1. 「糖質制限」の基本 Q&Aコーナー
    1. Q 育ち盛りの子どもが糖質を控えて大丈夫ですか?
      1. A まったく問題ありません。
    2. Q 野菜嫌いの子どもにジュースで栄養を与えても大丈夫ですか?
      1. A どちらかというとNGです。
    3. Q 妊婦ですが糖質を制限したらお腹の子に影響が出ませんか?
      1. A 大丈夫です。影響は出ません。
    4. Q アスリートなので糖質は摂っておきたいのですが?
      1. A かつてはスポーツ選手には糖質が欠かせないといわれていました。
    5. Q 持病があるのですが、糖質制限をしても大丈夫ですか?
      1. A 病気の内容によります。
    6. Q 風邪をひいた時は、おかゆやうどんがいいのでは?
      1. A 実は、おかゆやうどんなどの糖質よりも、タンパク質のほうが消化が早いのです。
    7. Q とりあえず豆腐ばかり食べて大丈夫ですか?
      1. A 豆腐は良質なタンパク質と脂質を含んでおり、糖質はわずかなので毎日食べても大丈夫です。
    8. Q やせ過ぎといわれています。糖質制限でもっとやせるのでは?
      1. A タンパク質や脂質を意識して増やすようにしてください。
    9. Q 肉ばかり食べていると胃腸に負担がかかるのでは?
      1. A 肉を食べて胃腸が重くなるのは、ご飯と一緒に食べているからです。
    10. Q 血圧が心配なので塩分も控えたほうがいいですか?
      1. A 糖質制限食にするなら塩分のことはさほど心配しなくても大丈夫です。
  2. まとめ
    1. 関連

「糖質制限」の基本 Q&Aコーナー

生活習慣病や認知症予防の食事法の結論は、「糖質制限食」です。世の中には様々な「糖質制限食」がありますが、著者 江部康二(えべ こうじ)ドクターの教える「糖質制限食」をひも解いていきます。今回はQ&Aコーナー編、糖質制限食の最新常識にもふれています。

Q 育ち盛りの子どもが糖質を控えて大丈夫ですか?

子どもサッカー

A まったく問題ありません。

子どもであれ大人であれ、糖質制限食は有効です。「糖質制限食」は「人類700万年の食生活」にのっとった食事術。問題がないどころか、むしろ積極的に行ってほしいものです。

近年、成人になっていないにもかかわらず、糖尿病になったり、内臓脂肪で肥満になるケースが増えています。これはズバリ「糖質の摂りすぎと運動不足」が原因。

昔の子どもたちは外でよく遊んでいたので運動不足になることはまずありませんでした。そのぶん糖質もたくさん消費されました。しかし、今はゲームやスマートフォンの影響でインドア派が増えています。

こうした傾向は今後も続くことでしょう。その意味でも、子どものころから糖質制限食は習慣づけておいたほうがいいといえます。

Q 野菜嫌いの子どもにジュースで栄養を与えても大丈夫ですか?

友人

A どちらかというとNGです。

ビタミンなどの栄養を与えたいお気持ちはわかりますが、野菜ジュースや果物のジュース、さらに果物も含めて、すべて「毒」だと考えてください。

まず、野菜ジュースに関していえば「野菜100%」であっても、糖質を含んだ野菜が多く使われています。果物とミックスされたものもありますね。これらは、なおさらNG!果物ジュースにはブドウ糖よりもはるかに糖化しやすい「果糖」が大量に含まれています。

「糖化」とは「老化」をうながす現象です。「こどもだから老化はまだ先・・・」と安心はできません。かつて「成人病」と呼ばれた生活習慣病にかかる子どもが増えているわけですから。野菜嫌いなお子さんには、細かく刻んでおかずにまぎれさせるなど、調理で工夫をしてください。

Q 妊婦ですが糖質を制限したらお腹の子に影響が出ませんか?

妊娠

A 大丈夫です。影響は出ません。

われわれ人類は700万年にわたって「糖質制限をしているお母さん」から生まれ、育てられてきました。

この事実1つだけで何の心配もいらないことがおわかりでしょう。妊婦さんが糖質を摂らなくなって問題があるなら、人類の歴史はどこかで終わりを迎えていたはずです。

糖質制限を続けていると、ケトン体をエネルギーにできるようになります。乳児は高ケトン体状態で生まれてくるので、出産後も糖質制限を継続してもらって大丈夫です。

むしろ、心配してほしいのは、妊娠時の高血糖です。糖質の摂りすぎで血糖値の高い状態が続くと、流産や早産になる可能性が高まります。胎児だけでなく、母体への影響も小さくありません。元気な赤ちゃんを産むためにも、糖質はできるだけ遠ざけるようにしてください。

Q アスリートなので糖質は摂っておきたいのですが?

アスリート

A かつてはスポーツ選手には糖質が欠かせないといわれていました。

それはブドウ糖の集合体であるグリコーゲンがメインエネルギー源と考えられていたため。しかし、実際にメインエネルギーとしてパフォーマンス向上に役立つのは、脂肪の分解物の「脂肪酸」「ケトン体」。(マラソン、サッカー、テニスなどほとんどのスポーツにおいて、)

人はグリコーゲンを使い果たすと動けなくなります。そのグリコーゲンの体内の蓄積量はおよそ300~400g(1200~1600キロカロリー)。

一方、脂肪は標準的な人(体重65キロ・体脂肪率20%)でおよそ13キロ(11万7000キロカロリー)。

少量のグリコーゲンを優先して使うと動けなくなるのも早いのですが、脂肪酸やケトン体を使うと、競技中にスタミナ切れになることは考えられません。(糖質制限食をしていると、脂肪酸やケトン体をエネルギー源として使う体になってくる)

Q 持病があるのですが、糖質制限をしても大丈夫ですか?

専門医

A 病気の内容によります。

体質やいくつかの病気に関しては、糖質制限をしないほうがいい方もなかにはいます。

その病気として現在のところ判明しているのは、「診断基準を満たす、すい炎」「肝硬変」「長鎖脂肪酸代謝異常症」「尿素サイクル異常症」です。なお、IgA腎症(アイジーエイじんしょう)など、慢性腎炎に糖質制限食は効果がありません。

一方、糖尿病腎症の場合には糖質制限が有効な可能性があるので、医師とよく相談しながら糖質制限食を実践しても大丈夫です。

なかには難病指定されているもののあり、多くの人は当てはまらないとは思いますが、ご自身がいずれかの病気にかかっていないかどうかは確認しておいたほうが無難でしょう。

また、現在糖尿病を患っている人で治療を受けている人(経口薬やインスリン注射)は必ず医師に相談してください。これは低血糖の発作を予防するためです。

Q 風邪をひいた時は、おかゆやうどんがいいのでは?

白菜と鶏モモ肉のシチュー

A 実は、おかゆやうどんなどの糖質よりも、タンパク質のほうが消化が早いのです。

おそらくこの質問は、「風邪の時には、おかゆやうどんなど消化にいいものを食べたほうがいい」という俗信に基づくものだと思います。しかし、風邪で弱っている体に糖質をいれるのは、さらに負担を与えるようなものです。

湯豆腐や卵スープ、茶碗蒸し、野菜スープ、味噌汁、豚汁など体を温めてくれる食べやすいものはいくらでもあります。糖質制限食を続けていると、風邪をひきにくくなるというメリットもあります。

これは自然治癒力を取り戻すためですが、毎年風邪を引くという人にはその意味でも実践してほしいところです。

Q とりあえず豆腐ばかり食べて大丈夫ですか?

ビュッフェ形式 (1)

A 豆腐は良質なタンパク質と脂質を含んでおり、糖質はわずかなので毎日食べても大丈夫です。

ただし、1つの食品だけ、極端に多くの量を食べ続けることはおすすめできません。栄養はあくまでも様々な食品からバランスよく摂るのが理想です。

現代の私たちの生活ではつい糖質を摂りすぎになってしまうので、糖質が少ない食品をなるべく種類豊富に摂ったほうが、栄養バランスが整います。

豆腐1つにしても、チーズを乗せたり、ご飯に見立てて牛丼風にしり、卵と炒めてチャーハン風にしたり、調理法によってもいろんな栄養素を補うことができるので、ぜひとも楽しみながら工夫して頂きたいと思います。

また、豆腐の植物性タンパク質もいいのですが、魚類や肉類など、動物性タンパク質のほうがさらに好ましいのです。

Q やせ過ぎといわれています。糖質制限でもっとやせるのでは?

焼肉 (1)

A タンパク質や脂質を意識して増やすようにしてください。

やせ過ぎの人はそもそもの摂取量が少なすぎる可能性が高いでね。消費カロリーより摂取カロリーが少ないと疲れやすく、力も出ないはずです。

また、頭もぼんやりしてしまうことが多いようです。そういう人は、高カロリーの食べ物を積極的に摂るようにすれば、筋肉もつき、体重も適正なものへと増加していきます。

「インターバル速歩」などの運動習慣を身につければ筋肉もつきやすいです。1回にたくさんの量が食べられない場合は、間食でカバーするという方法もあります。

糖質を食べればすぐに体重(脂肪)を増やすことはできますが、これは認知症につながる「よくない太り方」。健康的に体重を増やすなら、タンパク質と脂質です。

Q 肉ばかり食べていると胃腸に負担がかかるのでは?

和食しゃぶしゃぶ

A 肉を食べて胃腸が重くなるのは、ご飯と一緒に食べているからです。

試しにご飯を抜いてみてください。以前に比べて胃も腸も元気に働いてくれるはずです。近年、多くの人が悩まされている病気に「逆流性食道炎」があります。

胃の中のものが胃液とともに逆流してきて、食道に炎症(胸やけや痛み)を起こす病気ですが、この症状を訴える人たちが、糖質制限食を始めると、まさに「即座に」といった感じで症状が軽くなるのです。

なぜそうなるのかは、まだよくわかっていませんが、糖質は、胃では消化できないので、胃に負担をかけているという推測は成り立ちます。胃が正常に食べ物を消化すれば、そのあとの「栄養や水分の吸収」を引き受ける腸の働きもスムーズになります。

とくに大腸に棲む腸内細菌は食物繊維をエサとするので、肉にプラスして野菜やキノコ、海藻も摂るようにしましょう。

Q 血圧が心配なので塩分も控えたほうがいいですか?

高血圧

A 糖質制限食にするなら塩分のことはさほど心配しなくても大丈夫です。

むしろ塩分制限を控えるくらいでちょうどいいでしょう。糖質を制限するとインスリンの分泌は減少します。

そのことで体内にため込んだ塩分と水分は尿として、体外に排出されるので血圧は下がっていきます。また、水分が減るのでむくみもなくなります。こういう状態でさらに塩分を制限すると、逆に体に負担をかけてしまうことになるのです。

頭が重くなったり、痛みを感じたり、あるいは体全体がだるくなってしまったり。高血圧でない人が塩分を過剰に控えてしまうと(1日7.5g以下)かえって動脈硬化を起こしやすくなるという報告もあります。

『ランセット』というイギリスの一流医学雑誌によれば、高血圧でない人は塩分1日15gまでOKで、高血圧の人でも1日10gまでは大丈夫です。

まとめ

  • 子どもの頃から糖質制限食は習慣づけておいたほうがいいです。
  • 100%でも野菜や果物ジュースはNGです。
    調理で工夫して野菜を摂るようにすることです。
  • 妊婦さんも糖質を制限してもお腹の子に影響は出ません、大丈夫です。
  • 乳児は高ケトン体状態で生まれてくるので、出産後も糖質制限を継続してもらって大丈夫です。
  • アスリートのメインエネルギー源として、パフォーマンス向上に役立つのは、脂肪の分解物の脂肪酸やケトン体なのです。
  • 病気の内容により、糖質制限には注意が必要です。
    現在、糖尿病を患っている人で治療を受けている人(経口薬やインスリン注射)は必ず医師に相談してください。低血糖の発作を予防するためです。(その他の病気は上記参照)
  • 風邪をひいた時は、糖質よりも、タンパク質のほうが消化が早いです。湯豆腐や卵スープ、茶碗蒸し、野菜スープ、味噌汁、豚汁など。
  • 肉を食べるときにご飯も一緒に食べているから胃腸に負担がかかるので、肉にプラスして、野菜やキノコ、海藻などを食べるようにすると、食物繊維が摂れて、腸内環境がよくなります。
  • 糖質制限食は塩分のことはさほど心配しなくても大丈夫です。
  • 高血圧でない人は塩分1日15gまで、高血圧の人でも1日10gまでは大丈夫です。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。糖質制限食は、認知症を予防する食事術でした。糖尿病も生活習慣病の1つ、認知症とも深い関わりがあり、もちろん糖質制限をしなければいけない病気です。

子どもも大人も、糖質制限食で本来の元気で健康的な身体になると教えていただいて、大変勉強になりました。人類700万年の食生活ですから、問題ないどころか、むしろ積極的に行ったほうがいいと言っておられました。

実は、もう私も糖質制限食を始めております。本当にいいことを聞いたような気分で嬉しくなりました。まだ1週間くらいですが、これからも続けていきたいと思います。

最期まで自分の頭で考え、手足を動かして、元気でいたいと思います。「体は食べ物でできている」生活習慣病の予防と改善にお役に立てば幸いです。最後までお読み頂きありがとうございます。

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