体に悪いという科学的根拠のある食べ物

食事06

ハーバード大学で博士号を取得されているドクターが教える、体に悪いという科学的根拠がある食べ物には、どんなものがあるのでしょうか?またなぜなのでしょうか?深堀りしていきます。結局なにが体に良いのかも知っておくと健康意識が高くなり、将来への不安も少なくなっていくことと思います。毎日の食事に実践していくことができればなお健康的です。

「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」津川雄介(つがわゆうすけ)著

津川雄介(つがわゆうすけ)
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)内科学助教授。東北大学医学部卒、ハーバード大学で修士号(MPH)博士号(PhD)を取得。聖路加国際病院、世界銀行、ハーバード大学勤務を経て、2017年から現職。共著書に「週刊ダイヤモンド」2017年「ベスト経済書」第1位に選ばれた「原因と結果の経済学:データーから真実を見抜く思考法」(ダイヤモンド社)。ブログ「医療政策学×医療経済学」で医療に関する最新情報を発信している。

  1. 体に悪いという科学的根拠がある食べ物
    1. 「白い炭水化物」は体に悪い
      1. 健康に良い炭水化物と、健康に悪い炭水化物
    2. 精製されると失われるもの
    3. 「茶色い炭水化物」は死亡率を下げ、数々の病気を予防してくれる
      1. 研究
    4. 全粒粉やそば粉の含有量も重要
      1. 研究
      2. 注意点
    5. 白米は食べすぎなければ大丈夫なのか?
      1. 研究
    6. 「日本人には当てはまらない」は本当か?
      1. 研究
    7. 白米の量を減らして食べている分には関係ない?
    8. できるだけ白米は減らすべき
      1. ちなみに、
      2. この質問に答えるため、
      3. 個人的には、
      4. さらには、
      5. どうしても白米を食べたい人は、
    9. 白米とがんとの関係
      1. 研究
    10. 米の摂取量を減らしたらお腹が空いてしまう?
    11. グルテンフリーは健康に良いのか?
      1. セリアック病でないなら、グルテンフリーにする必要はない
    12. ダイエット効果の根拠も乏しい
      1. 研究
    13. 日本食は塩分が多い
    14. 日本人はアメリカ人より塩分をとっている
      1. 研究
    15. 塩分のとりすぎが引き起こす病気
      1. 最新の研究によると、
      2. 注意点
    16. 心筋梗塞や脳卒中になりやすくなる
      1. 研究
      2. 実は、
      3. さらには、
    17. みそ汁を薄めて飲んでもダメ
      1. まずはみそ汁と漬物をやめてみる
    18. 牛肉、豚肉、ソーセージやハムは健康に悪い
      1. 研究
    19. 日本人には当てはまらない?
      1. 研究
    20. 大腸がんのリスクが高くなる
      1. 研究
    21. ソーセージやハムも死亡率を高める
      1. 研究
    22. 脳卒中や心筋梗塞のリスクも上昇
      1. 研究
      2. まとめると、
      3. 現時点では、
    23. 卵は「1週間に6個まで」
    24. 卵を1日1個以上食べるリスク
      1. 注意が必要
      2. 研究
    25. コレステロール値より病気を防ぐことが大事
      1. ちなみに、
    26. 「カロリーゼロ」は健康への悪影響も「ゼロ」?
      1. 有害だとする研究結果も
      2. できるだけ避けたいカロリーゼロ
  2. まとめ
    1. 関連

体に悪いという科学的根拠がある食べ物

白米

「白い炭水化物」は体に悪い

(著書の本文を引用、解説しています)

健康に良い炭水化物と、健康に悪い炭水化物

巷では「糖質制限ダイエット」「低タンパク質ダイエット」が流行っている。これらのダイエット法に共通しているのは、「炭水化物」の摂取を減らして、代わりにタンパク質や脂肪の摂取量をやや多めにするということである。

しかし、炭水化物なら何でも減らすべきという考えは、間違いである。炭水化物には、「体に良い炭水化物」と「体に悪い炭水化物」があるからである。

最も身近な炭水化物は、白米や小麦粉であり、これらは精製された炭水化物である。このように精製して柔らかくて食べやすい形にすることを(白っぽくなるため)「精白」すると表現し、米であれば「精米」すると呼ぶ。

この精白されている「白い炭水化物」は、血糖値を上げ、脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化による病気がおこるリスクを高める可能性があることが、数多くの研究から報告されている。

玄米のように、精製されていない「茶色い炭水化物」の多くは食物繊維や栄養成分を豊富に含み、肥満や動脈硬化のリスクをむしろ下げる、と言われている。

つまり、全ての炭水化物が悪者なのではなく、どんな炭水化物を食べるかで、健康に関しては逆の効果があるのだ。

精製されると失われるもの

玄米

米や小麦粉は精米する過程で食物繊維や栄養分が取り除かれてしまう

  • 「米」
    • 白米・・・胚乳 (白色)
    • 玄米・・・胚乳、胚芽、ぬか(茶色)
  • 「小麦粉」
    • 小麦粉・・・胚乳 (白色)
    • 全粒粉(ぜんりゅうふん)・・・胚乳、胚芽、表皮(茶色)
  • 精製された「白い炭水化物」(=健康に悪い)
    • 小麦粉(パン、パスタ、ラーメン、うどん)
  • 白米
    • 精製されていない「茶色い炭水化物」(=健康に良い)
    • 全粒粉、大麦、オート麦、ライ麦、キヌア、玄米、雑穀類、そば粉

精製された小麦粉から作られたパンやパスタはふわっとして柔らかく食べやすいのだが、この精白過程において、小麦に含まれるビタミンB、ビタミンE、食物繊維などの成分が取り除かれてしまう。

ごはんは茶碗に盛ると何グラム?

  • 普通盛り1杯・・・約160g
  • 大盛り1杯・・・約200g

(市販のレンチンごはんパックは1人前約160~180g)

「茶色い炭水化物」は死亡率を下げ、数々の病気を予防してくれる

数々の研究において、精製されていない「茶色い炭水化物」は健康に良い影響を与えると報告されている。

研究

①アメリカ、英国、北欧の国々で行われた研究を統合した78万6000人のデーターを用いたメタアナリシスによると、

(メタアナリシス(meta-analysis)とは、複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のことである。メタ分析、メタ解析とも言う。ランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスは、根拠に基づく医療 (EBM) において、最も質の高い根拠とされる。ウィキペディア引用)

1日70gの茶色い炭水化物を摂取したグループは、茶色い炭水化物をほとんど食べないグループと比べて死亡率が22%低かった。

②7つの研究を統合したメタアナリシスによると、茶色い炭水化物の摂取量が多いグループ(1日2.5単位以上摂取)は、摂取量が少ないグループ(週に2単位未満)と比べて、心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化によって起こる病気になるリスクが21%低かった。

③玄米を多く食べる人たち(週に200g以上摂取)は、玄米をほとんど食べない人たち(月に100g未満)と比べて糖尿病になるリスクが11%低かった。1日50gの白米を玄米に置き換えることで、糖尿病のリスクを36%下げることができると推定された。

④がんに関するエビデンス(科学的根拠)は、死亡率や動脈硬化ほど強くない。50万人を5年間追跡した研究によると、茶色い炭水化物の摂取は、大腸がんのリスクを若干、下げることが明らかになった。

しかし、食物繊維の摂取と大腸がんのリスクとの間には、関係は認められなかったため、茶色い炭水化物に含まれる他の栄養素に大腸がんを予防する働きがある可能性もあるとされた。

全粒粉やそば粉の含有量も重要

全粒粉パン
#精製されていない全粒粉パン

茶色い炭水化物の摂取はダイエットにも有効であると考えられる。

研究

①アメリカで行われた研究によると、茶色い炭水化物の摂取量が、1日あたり40g増えるごとに、8年間での体重増加が1.1kg減ることが明らかになった。複数の研究において、茶色い炭水化物の摂取量が多い人ほどBMIが小さく、腹囲が細いことも示されている。

(BMIとは、ボディマス指数(ボディマスしすう)とは、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数である。一般にBMI (Body Mass Index) と呼ばれる。)(ウィキペディア引用)

②その他にも、茶色い炭水化物には、便秘を予防する働きや、憩室炎(けいしつえん)という大腸に炎症を起こす病気を予防する効果があるとも言われている。

注意点

①スーパーやコンビニで手にした商品の中には「全粒粉」と書いてあっても実は全粒粉が少ししか含まれておらず、ほとんどが精製された小麦粉という商品がある。

スーパーなどでパンやパスタを購入するときには、食品のラベルを見て、大部分が全粒粉で出来ているかどうかチェックする必要がある。

食品のラベルに関して、原材料は、使用した重量の割合の高い順に表示されている。健康のことを考えたら出来るだけ全粒粉の割合の高いものを選ぶべきだ。

②そばを食べるにしても、少ししかそば粉が含まれておらず大部分は小麦粉でできているいわば「そば粉入りのうどん」を食べて健康になった気になってしまうのは危険である。

十割そば(じゅうわり)や二八そば(にはち)のように、できるだけそば粉の割合の高いそばを選んで食べるのが好ましい。

③米の場合、単一の原料でない場合、ブレンド米などである旨が表示されているので、玄米だけなのか、玄米と白米を混ぜたものなのかは容易に判断できるだろう。

白米は食べすぎなければ大丈夫なのか?

最もよく質問されることの1つが「白米は食べすぎなければ大丈夫ですよね?」といったものである。答えは・・・「少量でも体に悪い」と言っても良いだろう。と言われています。

研究

2012年に世界的にも権威のある英国の医学雑誌に、白米と糖尿病の関係に関する4つのコホート研究(ランダム化比較試験ではない)の結果をまとめたメタアナリシスの結果が発表された。

その結果、白米の摂取量が1杯(158g)増えるごとに糖尿病になるリスクが11%増えるとされた。

「日本人には当てはまらない」は本当か?

研究

2010年に、権威あるアメリカ栄養学会の学会誌に、国立国際医療研究センターの南里明子氏(現在の所属は福岡女子大)らが行った日本人のデーターを用いた研究が掲載された。

この研究によると、日本人においても白米の摂取量が多ければ多いほど糖尿病になる可能性が明らかになった。

論文では、白米を食べる量が(ごはん茶碗1杯160g換算で)1日2杯以下のグループと1日2~3杯食べるグループでは、5年以内に糖尿病になるリスクが24%高いことが明らかになった。

その一方で、ごはんを1日2~3杯食べる人と、3杯以上食べる人たちで糖尿病のリスクは変わらなかった。

1日2杯(315g)くらいが糖尿病のリスクが上がりはじめる境界だと考えても良いだろう。

女性ではもっとシンプルな関係、つまり白米を食べる量が多ければ多いほど糖尿病のリスクが高くなるという関係が認められた。

  • 白米を1日1杯しか食べないグループと比べて、(最も少ないグループの白米の摂取量が男女で違うので注意が必要)
    • 1日2杯食べるグループでは15%、
    • 1日3杯食べるグループでは48%、
    • 1日4杯食べるグループでは65%
  • も糖尿病になるリスクが高くなることがわかった。

この研究は保健所を通じて参加した健常者に、食事調査を行って、5年間追跡したもので、白米の摂取の調査自体に誤差を含み、(アンケートで「どれくらい食べますか」と聞かれても、記憶違いや、罪悪感から、ちょっと少な目に報告するなどがある)さらに追跡中の食生活の変化も考えられる。

したがって、きっちりアンケート通りの量を食べていたのか、ということは実は正確にはわからない。(実際には少し少なめに報告する人が多いということが知られている)

さらには、1日1時間以上の筋肉労働や激しいスポーツをする人に関しては、統計的に有意な関係が見られなかった。

これらのことを踏まえると、白米を食べる量が多い人ほど、糖尿病になってしまう確率が高くなっている傾向が確認できた。というざっくりとした理解にとどめるのが無難だろう。

白米の量を減らして食べている分には関係ない?

ここでは冷徹かもしれないが、「科学から何がわかっているか」ということをきちんと説明する。「食べすぎ」というあいまいな表現が曲者(くせもの)。

曲者(くせもの)とは、くせ もの [0] 【曲▽者・癖者】① 賊・敵などあやしい者。② 一筋縄ではいかない人。ひとくせある人。 「おとなしそうでもなかなかの-だ」③ 油断のならないもの。気の許せないもの。えたいの知れないもの。「恋は-」 「一見簡単そうなところが-だ」④ なみではない人。 「光盛こそ奇異の-くんでうて候へ/平家 7」⑤ 妙手。異能の人。 「疾く行くか、重なる山の木末よりと、一声に移りし-なり。胡銅の物を見るやうなりしなり/申楽談儀」⑥ ばけもの。怪物。(Weblio辞典引用)

まず考えないといけないのは、どれくらいが「食べすぎ」なのかということだ。

1日2杯の白米でも糖尿病のリスクは上がり始めているが、昼ごはんで1杯+夕ごはんで1杯の白米は、多くの人にとって「食べすぎ」と呼べるほど多い量ではないと感じられるのではないだろうか。

できるだけ白米は減らすべき

ちなみに、

日本人の研究では、一番少ないグループでも白米を男性で1日2杯、女性で1日1杯食べていた。

今これくらい食べている人が、これ以上減らしたら糖尿病のリスクが下がるのだろうか。それともこれが下限で、これ以下の量では糖尿病のリスクは一定なのだろうか。

この質問に答えるため、

はじめのメタアナリシスの論文を見てみよう。実は、西洋人の白米の摂取量は、アジア人よりもかなり少ないため、この摂取量の少ない部分のデーターも見ることができる。

西洋人でも、150g以下でも白米を食べる量が多い人ほど糖尿病のリスクが高いことがわかる。

西洋人のデーターだけで白米と糖尿病の関係を調べると、統計的に有意な関係ではないが、白米の摂取量が多い人ほど、糖尿病のリスクは高い傾向にあるということができるだろう。

個人的には、

白米の摂取量と糖尿病のリスクとの間には正の相関があるので、減らせるのだったら、できるだけ少ない摂取量の方が良いと言える。

さらには、

糖尿病の家族歴があると糖尿病になる確率はさらに高くなるので、少しでもリスクを下げるためにも、できるだけ白米を含む、白い炭水化物は減らした方が良いだろう。

どうしても白米を食べたい人は、

毎日、1時間以上の激しい運動をすることで、糖尿病のリスクを上昇させずに済むかもしれない。

白米とがんとの関係

研究

2016年に、英国医師会雑誌に報告された、メタアナリシス研究がある。メインの研究では雑穀類の摂取量と心筋梗塞やがんとの関係を見ていたのだが、その中でサブ解析として白米の摂取量とがんとの関係が検証されている。

米の摂取量とがんとの関係には統計的に有意な関係は認められなかった。つまり、白米の食べすぎは糖尿病のリスクを上げるものの、がんのリスクを上げることはないと考えられる。

米の摂取量を減らしたらお腹が空いてしまう?

炭水化物の摂取量を減らすために、ただ単に食事の量を減らすことはおすすめできない。

多くのダイエットが成功しないのと同様に、お腹が空いてもがまんしているのは拷問に近く、理性によってコントロールすることが難しいからだ。

食事07

そのため、食事の種類を「置き換える」ことを推奨する。白米が「主食」であるという「マインドセットを変える」という方法だ。主食は白米であると思うから、どうしても量を食べてしまうが、必ずしも白米が主食でなければいけないというルールはない。白米の代わりに、玄米にするというのは最もシンプルな置き換え術だろう。

白米と玄米を置き換えることで、糖尿病のリスクが下がる可能性も示唆されている。アメリカでは、多くのレストランで白米と玄米を選ぶことができ、健康意識の高い人は玄米を選ぶようになってきている。

その他の方法として、お米の代わりに、大皿1杯のサラダが主食だとイメージしたらどうだろうか。魚や肉(タンパク質)がおかず、サラダを主食にしてみる。(日本は野菜が高いのがちょっと玉にきずであるが)この食事スタイルだと、白米の摂取量をコントロールすることがだいぶ楽になると思われる。

グルテンフリーは健康に良いのか?

グルテンフリーパン
#グルテンフリーパン

欧米ではグルテンフリー、つまりグルテンが含まれてない炭水化物に注目が集まっている。

グルテンフリー・ダイエットは、小麦をはじめとした穀物のタンパク質の主成分であるグルテンを除去した食事のこと。もともとグルテン除去食は、セリアック病や小麦アレルギー、小麦の消化や代謝不良等を改善するための食事療法の中で取り入れられてきた。( ウィキペディア引用)

最近では、テニスのノバク・ジョコビッチ選手など、海外のアスリートたちが取り入れているということでも話題になった。

アメリカで高級なスーパーに行けば、パンやパスタなどあらゆる食材のグルテンフリー版を購入することができる。レストランに行けばメニューの中にはグルテンフリーの料理を多くの場合見つけることができる。日本でもすでにグルテンフリーのカフェなどができているという。

はたして食事からグルテンを減らすことで私たちは健康になれるのだろうか。

セリアック病でないなら、グルテンフリーにする必要はない

結論から先に言うと、グルテンフリーで健康になれるというエビデンス(科学的根拠)はない。

もともとはセリアック病と呼ばれる病気を、持った人がグルテンを摂取すると下痢を起こすため、セリアック病の人でも食べられるように開発されたものである。

セリアック病は欧米では人口の0.5~1.0%の人が羅患(らかん)しており、決して珍しい病気ではない。日本人では羅患率(らかん率)0.05%と、まれな病気であると考えられている。

セリアック病のもっと軽い症状のものを「グルテン過敏症」「グルテン不耐症」(グルテンふたいしょう)と呼ぶことがある。グルテンを食べるとお腹の張りや下痢などの症状がでることが特徴。

アメリカではセリアック病がない人も「健康に良さそう」というイメージがあるという理由で好んで食べるようになっており、ビジネスの観点から新たな成長分野として注目を集めている。

ダイエット効果の根拠も乏しい

研究

2017年に英国医師会雑誌に掲載された最新の研究において、グルテンの摂取量と心筋梗塞の発生率の間には関係がないことが明らかになった。多くの茶色い炭水化物にはグルテンが含まれる。

グルテンを避けようとすると、自然に食物繊維を多く含む体に良い茶色い炭水化物の摂取量が減り、代わりに体に良くない「白い炭水化物」の摂取量が増えてしまうと考えられる。セリアック病ではない人にはグルテンフリーの食事は推奨するべきでないとされている。

またグルテンフリーにすることでダイエット効果がうたわれているが、その根拠は乏しい。グルテンフリーにすることで、病気が防げたり、体重が減る効果は期待できないので、「なんとなく体に良さそう」という理由だけでグルテン摂取を減らすことはおすすめできない。

一般的にグルテンフリーは通常の食材よりも高価であるが、健康という面においてはその価値はないと考えられている。

日本食は塩分が多い

日本食

2013年に日本食がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本食の魅力が世界中に注目されている。

多くの人は日本食は健康的であるというイメージを持っているが、実は日本食が本当に良いというエビデンス(科学的根拠)は弱い。確かに、魚や野菜を多く摂取できるという点においては日本食は優れていると考えられるのであるが。

  • 日本食には2つの問題がある。
    • ① 炭水化物が多いこと
    • ② 塩分摂取量が多すぎること

日本人は総エネルギーのうち58%を炭水化物が占めているが、アメリカ人の50%、フランス人の45%と比較しても多い。

炭水化物の大部分を玄米やそばで摂取している日本人はまだそれほど多くないのではないだろうか。

日本人はアメリカ人より塩分をとっている

日本人の塩分摂取量が、ハンバーガーやピザなど「不健康な食事の代表」のような食事をしているアメリカ人の塩分摂取量よりも多いことに驚きを隠せない。

研究

2013年に世界187か国の人の食事中の塩分摂取量を比較した研究によると、日本人の1日あたりの塩分摂取量は12.4gであり、(男性で1日13.0g、女性で11.9g)世界平均の10.1gやアメリカの9.1gと比べても20%も多かったのだ。

では、塩分摂取量が多いと何が問題なのだろうか。

血圧との関係である。余分な塩分は腎臓から尿中に排泄されるのだが、塩分摂取量が多すぎると、腎臓で処理しきれなくなってしまい、余分な塩分が体内に蓄積されるようになる。

「のどが渇いているので水を飲め」という指令を出すようになる。

このような生理的な反応の結果、水を飲み、血液の量は多くなる。ホースで水をまいている時に、蛇口をひねって水の量を増やすとホースがふくれ、ホースにかかる圧力が高くなるのと同じ原理で、体をめぐる血液の量が増えると、血管にかかる圧力、つまり血圧が高くなってしまう。

(ちなみに、海で遭難した場合に、死を早めてしまうので、海水を飲んではいけないと言われているのも同じ理由。体内の塩分濃度0.9%に対して、海水の塩分濃度は約3%と高い)

塩分のとりすぎが引き起こす病気

高血圧は血管に常に圧がかかっている状態であるため、放置しておくと血管が少しずつダメージを受け、その結果として、動脈硬化が起こり、いずれは血管が詰まって脳卒中や心筋梗塞を引き起こしてしまう。

最新の研究によると、

日本人が死亡したり麻痺などの障害を持つことになってしまう原因の第1位が食習慣で、第2位が高血圧であった。

塩分の問題が日本人にとっていかに重要な問題であるかわかってもらえると思う。

  • 塩分の健康への悪影響を軽減するには大きく分けて2つの方法がある。
    • ① 塩分摂取量を減らす
    • ② カリウムを多く含む食品を摂取する

塩分とカリウムは逆の働きをする。塩分が血圧を上げるのに対して、カリウムには塩分の対外への排泄を助けることで、血圧を下げる効果がある。よって、カリウムを多く含む野菜や果物は血圧を下げてくれるとされている。

ある研究によると、カリウムの摂取量が、最も多いグループは最も少ないグループと比べて、死亡するリスクが20%も低かった。

塩分とカリウムの比をとると、カリウムと比べて塩分摂取量が多いグループの人は心筋梗塞によって死亡するリスクが2倍も高かったと報告されている。

注意点

腎臓が悪い人にとってカリウムのとりすぎは危険である。血液中のカリウムが多くなって心臓の不整脈を起こすリスクがあるのだ。

血圧が高い人の中には腎臓が悪い人も多いので、健康診断などで腎臓の問題を指摘されたことのある人は、食事中のカリウムの量を増やす前に、かかりつけの医師に必ず相談してほしい。

心筋梗塞や脳卒中になりやすくなる

研究

塩分摂取量が多いと血圧が高くなり、心筋梗塞や脳卒中のリスクが上昇することは、複数の研究より明らかになっている。

また塩分摂取量を減らして、カリウム摂取量を増やすことで心筋梗塞や脳卒中のリスクが25%下がると報告されている。そして、19個の観察研究をまとめたメタアナリシスの結果でも、塩分摂取量が多い人は脳梗塞のリスクが23%高いとされている。

実は、

塩分摂取量で高血圧になるだけでなく、塩分は胃がんの原因となる可能性も示唆されている。

欧米人には大腸がんが多いのに対して、日本人や中国人に胃がんが多いのは、日本食や中華料理には塩分が多く含まれていることが原因の1つであるという仮説がある。

さらには、

塩分摂取量が多いことで骨粗しょう症になるという研究結果もある。塩分が尿中に排泄されるときに、骨を固くするカルシウムが一緒に捨てられてしまうためだと考えられている。

いずれにしても塩分は日本人の健康にとっても重要な意味をもっている。日々の食事を塩分控えめにして、野菜や果物をとることで余分な塩分を体外に捨てることが肝心である。

みそ汁を薄めて飲んでもダメ

日本人はみそ汁という塩分を多く含むスーぷを飲むため、みそ汁を毎日飲むのをやめたり、塩分を控えめにすることで塩分摂取量を減らすことができる。

みそ汁にお湯を入れて薄めて全量飲む人がいるが、これは全く意味がない。

お湯で半分の濃さになったみそ汁を2倍飲んだら、結局からだに入る塩分の量はかわらない。重要なのは「味が塩辛いかどうか」ではなく、どれだけの塩分が口から入っているかである。もちろん、ラーメンやうどんなどのスープも同じことが言える。

まずはみそ汁と漬物をやめてみる

野菜や海藻などのみそ汁の具を多くすることで、汁の量を相対的に少なくする。こちらであれば効果的に塩分摂取量を減らすことができる。

まずはみそ汁と漬物をやめる。食卓に並ばないのに慣れると問題ない。みそ汁や漬物に含まれる栄養の多くは生の野菜や果物を食べれば摂取できるからである。

牛肉、豚肉、ソーセージやハムは健康に悪い

ハムやソーセージ

2015年10月、世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(IARC)が、「加工肉は発がん性があり、赤い肉はおそらく発がん性がある」と発表した。

研究

IARCは、世界中の研究結果をもとに、ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉をグループ1(人に対して発がん性がある)、赤い肉をグループ2A(おそらく発がん性がある)に分類した。

ちなみに、「赤い肉」(赤肉と表現されることもある)と、一般的に脂肪の少ないという意味合いで使われる「赤身の肉」とは意味が異なる。

赤い肉とは、牛肉や豚肉のように見た目が赤い肉のことであり、いわゆる「霜降り肉」も含まれる。一方で、鶏肉は「白い肉」と表現され、赤い肉には含まれない。

グループ1(加工肉)は発がん性のエビデンス(科学的根拠)が最も強いグループであり、このグループには他にタバコやアスベストなどがあり、

グループ2A(赤い肉)に分類されるものには、無機鉛化合物などがある。

加工肉の場合、1日あたりの摂取量が50g(ホットドッグ1本、ベーコンスライス2枚)増えるごとに、大腸がんのリスクは18%増加すると報告されている。

赤い肉の場合、1日100g摂取するごとに、大腸がんのリスクは17%増加するとされた。

日本人には当てはまらない?

このレポートは日本でも広く報道され、注目を集めた。世界中の精肉業者から、反対声明が発表された。日本食肉加工協会など国内3団体で「加工肉に対する信頼を揺るがしかねない」との声明を出した。

日本人の摂取量は2013年の国民健康・栄養調査で63g(赤い肉50g、加工肉13g)であり、世界でも比較的低い国に入る。

でも日本人が摂取している量であったら本当に問題ないのだろうか。

  • 話題になった大腸がんに関すること
    • ① 直腸がん
    • ② 結腸がん

研究

日本人の食事の西洋化の影響もあり、大腸がんは急激に増えているがんである。

  • 罹患率(らかんりつ、病気にかかる率)
    • 男性で1位胃がん、2位肺がん、3位大腸がん
    • 女性で1位乳がん、2位大腸がん
  • 死亡率
    • 男性 1位肺がん、2位胃がん、3位大腸がん
    • 女性 1位大腸がん、2位肺がん、3位胃がん

食事の影響を大きく受けることもあり、日本人にとっても重要ながんの1つであると言っても過言ではないだろう。

大腸がんのリスクが高くなる

研究

国立がんセンターの研究者が行った日本人を対象にした研究がある。

岩手から沖縄まで広い地域に住む45~74歳の約8万人を8~11年間追跡したものである。

その結果、赤い肉や加工肉の摂取量が多くなるほど、大腸がんのリスクが高くなる傾向が認められた。

ソーセージやハムも死亡率を高める

ソーセージ

研究

より細かく10個のグループに分けて解析してみると、男性においては最も摂取量が多いグループで37%結腸がんのリスクが高くなり、統計的に有意な結果であった。女性では、やはり結腸がんのリスクが高くなる傾向が認められた。

脳卒中や心筋梗塞のリスクも上昇

研究

世界に目を向けると数多くの研究が実施されている。9つの論文を統合したメタアナリシスによると、加工肉の摂取量が多くなるほど、全死亡率、脳卒中や心筋梗塞など動脈硬化による死亡率、がんによる死亡率がいずれも上昇することが明らかになっている。

5つの論文をまとめたメタアナリシスによると、加工肉の摂取量が1日あたり50g増えるごとに脳卒中を起こすリスクが13%増加し、

赤い肉の摂取量が1日あたり100~120g増えるごとに脳卒中のリスクが11%あがることが明らかとなっている。

まとめると、

日本人においても牛肉や豚肉などの赤い肉や、ハムやソーセージなどの加工肉は、大腸がんのリスクを上げるだけでなく、脳卒中や死亡率の上昇にもつながる体に悪い食品であると考えられる。

現時点では、

この2つを比較すると、加工肉の方が健康に悪いということができるだろう。

普段の食事では、できるだけ赤い肉や加工肉の量を減らして、代わりに魚(健康へのメリットあり)や鶏肉を摂取することをおすすめする。

卵は「1週間に6個まで」

卵

「卵は1日1個まで?」「卵は1日1個はウソ?」「コレステロールのホントのところ」

厚生労働省が5年ごとに発表する「日本人の食事摂取基準」の2015年版において、コレステロールの摂取基準(目標量)がなくなったことである。

血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高いと心筋梗塞や脳卒中を起こすリスクが高くなることは前から知られている。

以前までは、食事中のコレステロールの摂取量が多いと血液中のコレステロールも高くなると考えられていたため、卵は食べ過ぎないようにするべきだと言われていた。

しかし、その後の研究で、食事中のコレステロールの量と血液中の悪玉コレステロールの値の間には、弱い相関しかないことが明らかになった。このような理由でコレステロールの摂取基準(目標量)がなくなった。

卵を1日1個以上食べるリスク

注意が必要

これは、卵をたくさん食べても大丈夫ということを意味していない。

研究

2013年に発表された16個の研究をまとめたメタアナリシスによると、卵と健康の関係は、

  • ①卵を1日1個以上食べるグループは、ほとんど卵を食べないグループ(1週間に1個未満)と比べると、2型糖尿病を発症するリスクが42%高い。
  • ②卵の摂取量と、心筋梗塞、脳卒中、およびこれらによる死亡との間には有意は関係はない。
  • ③しかし、糖尿病に限って解析を行うと、卵を1日1個以上食べるグループは、ほとんど食べないグループと比べると心筋梗塞や脳卒中によって死亡するリスクが69%高い。

コレステロール値より病気を防ぐことが大事

健康的な食事をする目的は、病気を防ぐことである。

確かに卵を食べても血中のコレステロールは上がらないかもしれない、しかし、卵の摂取量が多い人ほど、糖尿病や心不全のリスクが高く糖尿病患者については、心筋梗塞や脳梗塞などの病気のリスクが高いことが報告されている。

卵はあまり食べない方が良く、食べるとしても1週間に6個までに抑えることが健康にとってはベストであると著者は考えている。

ちなみに、

卵のカラの色と栄養とは何の関係もない。ニワトリの種類が違うだけであり、白い卵でも茶色い卵でも栄養価の面では気にする必要はない。黄身の色もニワトリが何を食べているかで決まるだけであるので、栄養とは関係がない。

「カロリーゼロ」は健康への悪影響も「ゼロ」?

ダイエット飲料
#ダイエット飲料水

ダイエットや健康ブームの影響もあり、多くの人が果糖飲料からダイエットコーラーやダイエットスプライトなどの「ダイエット飲料」に乗り換えている。しかし、これらダイエット飲料は本当に健康に悪影響がないのだろうか。

砂糖の代わりに、アスパムテールやステビアなどのカロリーのない人工甘味料を使用している。

アスパムテールは砂糖の180倍、ステビアは砂糖の300倍も甘い甘味料である。

有害だとする研究結果も

ダイエット飲料に用いられている人工甘味料が体に悪いのかに関しては、科学の世界ではまだ結論が出ていない。

2014年に行われたメタアナリシスによると、観察研究においては人工甘味料の摂取量と体重やBMIとの間に関連は認められなかった。

ランダム化比較試験の結果では、糖分を人工甘味料に置き換えることで減量できるとされた。

一方で、2017年に行われた最新の研究によると、ダイエット飲料の摂取によって、脳卒中や認知症になるリスクがあがることが示唆されている。ダイエット飲料を飲まない人と比べて、ダイエット飲料を1日1回飲む人で約3倍も高かった。

できるだけ避けたいカロリーゼロ

しかし、ダイエット飲料や人工甘味料の健康への影響に関しては、あまりよくわかっていないというのが現状であり、さらなる研究が待たれる。

もし飲まなくても大丈夫なら飲まないほうが良いだろう。どうしても飲みたい人にとっては、「カロリーゼロだから大丈夫」と過信するのではなく、体への悪影響の可能性が否定できていないので、できるだけ控えめにすることをおすすめする。

まとめ

今回は「体に悪いという科学的根拠がある食べ物」でした。

  • 白い炭水化物・・・なるべく減らしたほうが良い
    • ご飯、パン、麺類など
    • 茶色い炭水化物は食物繊維も豊富に含まれ、栄養的にも良いとされる
  • 赤い肉・・・なるべく減らしたほうが良い
    • 牛肉、豚肉、加工肉
  • 赤い肉に対して白い肉
    • 鶏肉
  • ゼロカロリー飲料水・・・ダイエット飲料や人工甘味料の健康への影響に関しては、あまりよくわかっていない
    • 炭酸飲料水など
  • グルテンフリー食・・・とくにダイエットに有効でもないが、小麦アレルギーやセリアック病には有効とされている
  • 外食・・・体に良いものを見極めて選ぶことが大切
  • 置き換える食事・・・体に悪いとされているものを減らしていく方法
  • 日本食では、塩分のとりすぎを注意する
  • さらに深堀りして、体の健康と病気の関係、考え方、食習慣の変え方などと盛り沢山でした。

本当に病気になるのは嫌です。こわいです。少しずつでも食習慣を変えていくという毎日の小さな選択こそが、将来の自分にしてあげられる健康法でしょうか。次回は、病気の人、子ども、妊婦にとっての「究極の食事」を解説させていただきます。生活習慣病の予防と改善にお役に立てば幸いです。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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