むらさきの色素がポリフェノールを豊富に含んでいる証拠。しかも、このポリフェノールに抗酸化作用があり、血液サラサラ効果、動脈硬化予防、コレステロールの酸化も防いでくれます。日頃から加工食品をよく食べる人は必見の、なるほどと思う、なすの栄養素とレシピです。誰でもすぐ作れる、超簡単なレンチン料理もご紹介しています。
がんを強力に予防する!?「なす」の栄養素とレシピ
「嫁に食わすな秋なすび」と何やらイメージの良くない言い回しですが、そういうふうに「なす」は美味しいものだと聞かされました。そのたびに、結婚して家に嫁ぐのは嫌だなと思ったものです。俗な話しはさておき、なすの栄養素と働きをみていきましょう。
① 強力な抗酸化作用
植物が、外敵や紫外線などから身を守るために作り出した、天然の「機能性成分」(きのうせいせいぶん)はまた、私たち人間にとっても「その野菜の機能性成分を食べることで」有効に作用してくれるのです。植物の色や香り、苦味、渋みには意味があったのですね。
なすの紫色には、2種類のポリフェノールが含まれています。アントシアニンとクロロゲン酸です。
アントシアニンには、がん抑制の効果があります。そして、血液サラサラ効果、抗酸化作用。
クロロゲン酸は、コレステロールの酸化を予防し、どちらも、動脈硬化(どうみゃくこうか)の予防と改善に効果があります。
② 目の老化防止、アンチエイジング作用
ブルーベリーのアントシアニンが目に良いと言われています。なすもまた同じ働きがあり、眼精疲労の改善や、目の老化の予防と改善に効果があります。そのほか、赤ワイン、ブドウの果皮、紫さつま芋、黒豆、黒米にも豊富です。
人間にも自分の身を守るために、抗酸化作用が備わっています。しかし、齢をとるにつれ低下し、老化し、抗酸化システムは衰え(おとろえ)てきます。
加えて、外的なストレスがかかると、低下、老化、酸化は早まり、処理しきれない酸化物の活性酸素(かっせいさんそ)は、体内にたまってきます。この処理しきれなかった活性酸素は、より強い毒素に変化します。
より強い毒素には、人間は太刀打ちできない、処理能力がないと言われています。これらが、がんや病気の原因になると言われています。
この強くなった毒素を無かったことにして、無毒化してくれるのが、野菜の「機能性成分」(きのうせいせいぶん)なのです。抗酸化作用、アンチエイジング作用は大切です。
③ カリウムが豊富で高血圧予防
なすの実は94%が水分です。その中にはカリウムがたっぷりと含まれています。カリウムは「利尿作用」(りにょうさよう)があり、塩分の排泄に効果があります。
腎臓(じんぞう)の負担を減らすためにも、カリウムが豊富な野菜を食べることは大切です。むくみ、高血圧の予防にはとくに大切です。とにかく野菜を食べること、と言われています。
そのほか、かぼちゃ、里芋、春菊、さつま芋、長芋、トマトなどがあります。カリウムは熱に弱く、生で食べるのがベストです。
加熱する場合は汁ごと、丸ごと頂ける、シチュー、味噌汁、煮込み料理がおすすめです。浅漬物にすれば、減塩にして、生で食べられます。
④ なす料理を色鮮やかにする方法
なす料理のときに「鮮やかな紫色」は見た目もきれいで、ツヤツヤとおいしそうです。でも、ときどき失敗して茶色っぽくなってしまうときがあります。色の変化は、なすの酵素が働くためです。
- 一気に全体を高温の油で揚げる、
- レンチン加熱・・・600Wで100gにつき2分間
この2つです、必ず、きれいな紫色になります。ぜひお試しください。
野菜の機能性成分を「ファイトケミカル」といいます。
なすのおいしさ満点で超簡単なレシピ

なすピザ
大きな「なす」で作ると、ボリューム感がでて豪華です。なすは他の食材の味もよく吸収して、旨味たっぷりです。
材料
- なす、玉ねぎ、しめじ、パプリカ、トマトケチャップ(トマトソース)、
- 塩コショウ、とろけるチーズ、オリーブオイル、好みでプチトマト
作り方とポイント
- ① なす・・・底が平になるように縦に切って、
- レンチンしておく(600Wで100gにつき2分間)
- ② 残りの野菜・・・スライス、レンチン温め
- フライパンで炒めて、塩コショウ、ケチャップで味をつける
- ③ なすに②をのせ、とろけるチーズものせ、
- オーブントースターで焦げ目がついたら完成です。
介護めしにも、栄養価が高く、食べやすいです。

レンチンなすのペペロンチーノ
なすだけの味を楽しめます。油と相性がよく、柔らかで冷やしても美味しいです。
材料
- なす、市販のパスタ用ペペロンチーノソース、
- 好みで乾燥バジルやパセリ
作り方とポイント
- ① なす・・・輪切り、レンチン(600Wで100gにつき2分間)
- ② ①のなすとペペロンチーノソースをあえるだけで完成です。
- 好みで乾燥バジルやパセリのみじん切りを散らす
ポイント!レンチンなすに、ごま油、ごま、しょうゆ、砂糖少々で、ごま和えになります。アレンジがきくので、なすが安い時は多い目に買っておいても◎
介護めしにも、柔らかく食べやすい1品です。

野菜のかき揚げ
冷蔵庫の掃除に、残り野菜を全部入れて、かき揚げはいかがですか。たくさん作って、お弁当のおかずにもぴったりです。ビールのあてにも、経済的でお手軽です。
材料
- なす、玉ねぎ、にんじん、ピーマン、きのこ、キャベツなど、
- (冷蔵庫の残り野菜を使いましょう)
- 小麦粉、水、溶き卵、塩、油
作り方とポイント
- ① 野菜はすべて・・・千切り
- 衣(ころも)・・・小麦粉、水、溶き卵、塩をサクッと混ぜておく
- ② 衣(ころも)に野菜を入れ、油で揚げて完成です。
ポイント!衣(ころも)には、塩少々を入れることで、下味がついて、美味しくなります。ごま油も少々加えると、香ばしさがでますよ。天つゆや、ソース、しょうゆ、ポン酢をつけても美味です。
介護めしには、一口サイズにカットして、天つゆでしんなりさせて、柔らかくしてから、お出しください。

なす味噌炒め
炒め野菜の味付けは味噌味にしたり甘から醤油味にしたりとバリエーション豊かです。シンプルに塩コショウだけで味付けして温野菜にし、ドレッシングで頂く手もあり、ビールやワインのおつまみにもなり、見た目もオシャレな1品です。
材料なす、
- 田楽みそ(即席で出来上がったものを使います。簡単で早いです)
- オリーブオイル(ごま油でもOK)、炒りごま、ネギ
- (ピーマンと炒めても相性よく、彩りもきれいになります)
作り方とポイント
- ① なす・・・一口サイズにカット、レンチンしておく(600Wで100gにつき2分間)
- (ピーマンを入れる場合も最初にレンチン温めしておきます)
- ② フライパンにオリーブオイル(ごま油)を入れ炒め、
- ①のなすを炒め
- 市販の田楽みそを回し入れ、さらに炒めて炒りごまをいれます
- 器に盛ってネギをちらして完成です
ポイント!なすは一口大にカットして、最初にレンチン温め(600Wで100gにつき2分間)しておきます。なぜなら、すぐに炒め調理ができて、余分な汁もでにくくなります。
まとめ
むらさきの色素がポリフェノールを豊富に含んでいる証拠。しかも、このポリフェノールに抗酸化作用があり、血液サラサラ効果、動脈硬化予防、コレステロールの酸化も防いでくれます。
なす料理は皮つきで、煮込んでもトロトロになり、最初にレンチン(600Wで100gにつき2分間)しておくと手早くなすの皮の色も変色せずにきれいにできあがります。
油戸の相性がよく、ツヤツヤきれいにでき、献立にもアレンジが効きます。レパートリーを増やして、生活習慣病やがんの予防と改善にお役に立てば幸いです。最後までお読み頂きありがとうございます。
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