本人も介護している家族にも、住み慣れた場所で、安心して生きていくために、介護サービスで、できるあらゆることを考えていきます。親の介護でも、病気と薬の管理は切り離すことができません。今回は、薬の管理を訪問サービスで受けることができる、ということを解説していきます。病院で説明を受けても、忘れてしまったり、間違った使い方をして、副作用や重篤なことにおちいってしまったりします。
1人暮らし、高齢夫婦、遠距離介護、家族と同居、などさまざまな形ですが、仕事を持ちながらの介護、薬の管理のやり方がわからない、本人が嫌がって飲まないなど、すべてを解決してくれます。
薬の管理のやり方を教えてもらえるかかりつけ薬局の薬剤師の存在があります。その紹介とサービス内容を解説します。(要するに家に訪問してくれて、薬の管理を任せられるということです。しかも、介護保険が適用され支払い負担は1割~2割です)

薬剤師ができること、サービスの内容
- ①薬の管理・・・「おくすりカレンダー」「薬の一包化」(1袋にまとめること)
- ②服用状況の管理・・・効果や副作用も管理
- ③飲みやすくする工夫・・・本人が飲まない、飲めないときに理由を探って解決してくれる。
- 薬が大きくて飲み込み辛い、薬嫌い、精神的に副作用がこわい・・・などがあった場合
- 病気や薬を飲まなければいけないことを、わかりやすく説明してくれたり、
- 病院の医師に提案をしてくれたりする、たとえば、オブラート、嚥下ゼリーを用いた対処法の提案
- ④余った薬の処理
- 医師と相談の上で必要なお薬は一包化。(1袋にまとめること)
- 医師と相談の上で不必要なお薬は廃棄。
- 患者さんの適切な治療につながり、医療費の削減にもなります。
- ⑤薬の効果や副作用からの体調チェック
- 食事
- 排泄
- 睡眠
- 運動・日常生活動作
- 認知機能
- ⑥飲み忘れ、まちがって飲んだ場合のフォロー
- 薬剤師に相談(かかりつけ薬局に電話、おくすり手帳を常にそばに置いておきましょう)
- ⓻衛生材料の提供
- 介護用品等についてもご相談下さい。
- おむつ
- 消毒用品
- 介護食
- 医療材料(チューブ、カテーテル等)(訪問診療がある場合にも相談)
- ⑧医療廃棄物の処理
- 注射針や残業の廃棄など

かかりつけ薬局の薬剤師の薬管理訪問サービスのメリット
- 薬剤師が定期的に訪問してくれることで、本人に起きているさまざまな問題を判明して、解決してくれます。
- 解決する努力をしてくれます。
- 訪問看護や訪問介護と連携をとり、科学的に身近に親身に解決方法を考えてくれます。
- 病気によっては、必ず飲まなければ、命にかかわるものもあります。
- ご本人が薬に対する重要度をわかっていなかったり、使い方をわからない、認知症、高血圧、心臓病、糖尿病、などの病気で通院をしている方は必要と言えます。
- 病院や訪問看護から説明を受けても、定期的に訪問してくれる薬剤師に任せることで、病気や薬の説明をわかりやすく、何度も受けることができます。
- 医療保険、介護保険、同様の制度があり、すべての方が使えます。
- たとえば、介護認定を受けている場合は、
- 薬剤師の訪問指導は「居宅療養管理指導費」と言います。
- 限度枠外サービスで、限度枠を超えても、1割負担です。
- 介護認定を受けていなくても、医療保険にも同様の制度があります。

薬剤師訪問サービスを受けるまでの流れ
- ①訪問指導が決定した時点で、薬剤師は患者さんに関する病状や訪問指導の内容の指示など、医師からの情報を受け取ります。
- ②医師からの情報提供書・訪問依頼書をもとに、医師との連絡・相談をおこないながら、訪問回数など患者訪問計画を立てます。
- ③処方せんの備考欄の「訪問」の指示がある場合に、薬剤師は調剤をおこなった後、患者さん宅を訪問します。
- ④医師からの情報に加えて、ケアマネジャー、ヘルパーなどの多職種の方、あるいは直接患者さんやご家族と話して状況を把握し、管理指導にあたります。
- ⑤薬剤師は、訪問後「訪問薬剤管理指導報告書」を作成して、医師およびケアマネジャーに情報提供します。
- この報告書には、訪問した薬剤師の氏名、実施した薬学的管理と指導の要点、服薬状況等を記載します。
※ 要介護認定を受けている患者さんは初回訪問時に契約書が必要になります。また、定期的に介護保険被保険者証を確認します。

困ったなと思ったら、まずは
- ・ケアマネージャーに相談
- ・直接、かかりつけ薬剤師に相談
(どちらでも同じです、連携が取れていますので、病院、薬局、介護の場合はケアーマネージャーに連絡が入ります。介護「ケアー・プラン」に組み込まれて、保険の対象にしてくれます。)
薬の管理や、本人の状態の不安なことは、どんなことでも、「かかりつけ薬局」の「薬剤師」に相談しましょう。
- 薬剤師は処方箋を受け取った段階からも、問題をみつけることができるすぐれた機関です。
- かかりつけ薬剤師が在宅訪問してくれます。
- あるいは、施設まで訪問してくれます。(施設によります)
- 地域ぐるみ、町ぐるみで介護を支える体制があります。
あきらめずに、相談して、いろいろ組み合わせて介護サービスを利用しましょう。
介護されているご家族、ご本人の負担が少しでも軽くなりますよう参考になれば幸いです。最後までお読み頂きありがとうございます。
コメント