本当の価値を掘り当てるには?

母と子

「本当の価値」とは、あなたが人生でどのように行動したいのかを問い続けるプロセスです。自分に足りない要素を補うのが目的ではありません。すべてが満ち足りた状態でもなお、行動せずにはいられない物事こそが、あなたの心の底に眠る本当の価値観なのです。真の価値観を探り当てる道しるべを教えてくれています。

「最高の体調」鈴木 祐(すずき ゆう)

新進気鋭(しんしんきえい)のサイエンスライター。1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手掛ける。近年では、自信のブログ「パレオな男」で、心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、3年で月間100万PVを達成。また、ヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。

価値

(本文引用していますが、すべて記載していません、あとは「最高の体調」をご購入していただきますよう、ご了承くださいませ。)

1、ぼんやりした不安を解消するたった1つの方法

未来02

「農耕」によって生まれた「未来」が、現代人の「ぼんやりした不安」を生みました。古代と違って、未来の感覚が遠くなったため、先の見えない不安が生まれるわけです。

一方で、狩猟採集民の未来は1日単位なので、先行きの不安は生まれません。彼らにとってはすべてが現在であり、時間を超越した感覚を持っているからです。

しかし、すでに未来という概念を構築してしまった現代人が、いまから原始の感覚に戻るのは不可能です。そう考えると、私たちが取れる戦略は1つしかありません。すなわち、

「未来を今に近づける」のです。

ここでいう未来とは、実際の時間の流れを意味しません。未来の自分と、現在の自分の、心理的な距離が、どれだけ近いかを問題にしています。

たとえば、「5年後の自分を想像してください」と言われたとき、あなたの内面にはどんな感覚が生まれるでしょうか?5年後のあなたは、今のあなたと変わらないぐらいの存在感を持った存在でしょうか?それとも、まったく見知らぬ人のように遠い存在でしょうか?

もし、前者なら未来との心理的距離は近く、後者なら未来との心理的距離は遠いと考えられます。これは、心理学で「自己連続性」と呼ばれる考え方です。ここで注意したいのは、「自己連続性」が「未来の自分を具体的に想像できるかどうか」の問題ではない点です。

もし、5年後の自分を「プールのある一戸建てに住んで、子どもは2人で、車を3台持って・・・」などとリアルに思い描けたとしても、今の自分との間につながりの感覚がなければ、心理的な距離は遠いままです。逆に、5年後の自分が今と変わらないとしても、そこにちゃんとした存在感さえあれば心理的な距離は近くなります。

時間の心理的な距離の問題の研究2009年、スタンフォード大学のブライアン・ナットソン氏が行った実験では「自己連続性チェック尺度」で被験者の時間感覚を調べ、そのうえで、「今15ドルをもらうのと、1週間後に30ドルをもらうのとどちらがいいか?」と尋ねました。「時間割引率」を調べたわけです。

そこでわかったのは、未来との心理的距離が近いほど、不安に強く、セルフコントロール能力も高いという事実でした。

自己連続性が高い者は貯金額が25%も多いとの結果もでています。つまり、自己連続性が高い者は、目の前の誘惑に負けない強いメンタルを持っているのです。

ナットソン博士は言います。「(自己連続性の高さとは)未来の自分の身になって考えられるということだ。そのため、現在の決定が未来に及ぼす影響を実感できるようになる」

たとえばダイエットで体重を落としたいが、目の前のケーキも食べたいといった状況があったとします。ここで、心理的距離が遠いと、ダイエットに成功した自分の姿に現実感を持てず、未来が絵空事(えそらごと)のようにしか感じられなくなってしまいます。その結果、つい目の前のケーキに手が伸びてダイエットは失敗します。

ところが、心理的距離が近いと、ダイエットに成功した自分の姿にリアリティが生まれ、未来のメリットを我が事としてとらえられるようになります。その結果、目の前のケーキを控えるモチベーションが高まり、ダイエットに成功します。

これが、心理的距離によってメンタルが強くなるメカニズムです。自己連続性が高まれば「ぼんやりした不安」は生まれません。つまり、「未来を今に近づける」のが、現代人の時間感覚を正す、数少ない抵抗手段なのです。

2、未来に目的があれば迫害すら乗り越えられる

自然と友人

ナチスの強制収容所で4年を過ごした精神科医のヴィクトール・フランクル氏は、「夜と霧」にこう記しました。

「強制収容所の人間を精神的に奮い立たせるには、まず未来に目的を持たせなければならなかった。被収容者を対象をした心理療法や精神衛生の治療の試みがしたがうべきは、ニーチェの的を射た格言だろう。「なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐える」したがって被収容者には、彼らが生きる「なぜ」を、生きる目的を、事あるごとに意識させ、現在のありようの悲惨な「どのように」に、つまり収容所生活のおぞましさに精神的に耐え、抵抗できるようにしてやらねばならない」

フランクル氏は、生涯を通して、人生の意味の問題を追い続けた人物です。アウシュビッツでも、生き延びる態度を崩さなかった彼はやがて、「人間はむしろ人生がら「価値観」を問われているのであり、それに責任をもって答えなくてはならない」との境地に至りました。

明確な「価値観」は、ナチスの迫害すら耐え抜くモチベーションを与えてくれるというのです。事実、多くのデータがフランクル氏の結論を支持しています。

2014年、ロチェスター大学が行ったコーホート研究では、6千人の男女に「価値観」を持って生きているか?」と尋ねたところ、

この質問に答えた者は、14年後の死亡率が15%も低い傾向がありました。自分の「価値観」に沿って人生を生きている人ほど寿命が長いわけです。データによれば、価値観が明確な人は自然と健康的な食事と運動を実践しているとのこと。この結果について研究チームは「人間は人生に何らかの方向性が必要なのだろう」とコメントしています。

さらに、あなたの価値観は収入にも影響します。

コーネル大学の、5千人のアメリカ人を10年ほど追跡した調査では、自分の価値観の従って毎日を暮らす人ほど年収と貯金額が多く、「人生の価値」の強さが基準偏差から1つ高くなるごとに、貯金額は244万円ずつふえていました。この傾向は、被験者の性格や人生の満足度を考慮しても変わりません。

要するに、あなたが商売に不向きな性格であろうが、現在の環境が恵まれていなかろうが、人生の価値観を強く持っていれば年収も増えていきます。人生の価値観が、仕事のトラブルに対するバッファーとして働くからでしょう。(バッファーとは「ゆとりがある」「余力がある」という意味)

価値に沿って生きるほど日々の悩みは消え、自然と自分をいたわる行動が増えていきます。不安に立ち向かうには、まずはあなたの「価値観」を見定めるべきです。

3、原始人にとって生きる意味は単純だった

未来

なぜ、「価値観」で「不安感」は減るのでしょう。

  • ①「ぼんやりした不安」が将来への「心理的距離」によって起こる
  • ②「価値観」には「未来を今に近づける」働きがある

一方、狩猟採集民の「価値観」とは・・・

人類学のデータによれば、彼らが生涯にわたって持つ人生の目的はシンプル。「生きる、産む、育てる」の3つだけです。すべての生物は遺伝子による「産めよ、増やせよ、地に満ちよ」という命令に従って行動します。その点では、ヒトも例外はなく、喜びも生きがいも、すべては種の保存のために備わった機能の1つに過ぎません。原始人にとって人生の意味は今よりも単純でした。

ところが、ライフサイクルが複雑化した現代では、様々な行為に価値を見出すようになりました。「有名になる」「金持ちになる」「良い会社に入る」「好きなことをして生きる」・・・定期的に新しいライフスタイルや人生の意味が提示され続ければ、迷いや不安が生まれてきます。

新しい商品が出て楽しい気分になったものの、どれも選べなくなり、逆にストレスを抱えたようなものです。価値観の多様化が問題なのは、私たちの未来像を、ぼんやりとしたものに変えてしまうからです。

この問題を解決するには、分岐した未来をまとめるしかありません。自分の価値観を絞り込み、未来を今に近づけるのです。

4、あなたの人生における価値観とは何か?

価値観

「ACT(アクト)」とは、「アクセプタンス & コミットメントセラピー」の略で、

  • ① 不安な感情に対処する方法を学ぶ
  • ② 自分の価値観を見定め、それに合った行動を増やしていくことを目指す

最先端の心理療法です。その効果は高く、数百の研究で確認されており、たとえば、1821人のデータを精査したメタ分析では、ACT(アクト)はサイコセラピーや心理教育などの治療よりも不安障害への効果が高く、人生の満足度も上がるとの結論が出ています。

別のメタ分析では、肥満体型(BMI25以下)の者がACT(アクト)を12時間ほど続けた場合、平均で7.6キロもの減量効果が認められたとの報告もあります。

これは、価値観を明確にしたおかげでダイエットの悩みがやわらぎ、健康的なライフスタイルへのモチベーションが上がったのが原因です。

ACT(アクト)でいう「価値」の定義とは、「個人の様々な外的または内的世界と関わりを持つ際にわきあがる確信、迷いなくゴールを達成する際の動機付けとなるもの、などから構成される特定の心理的な現象」

砕いて言うと「人生のモチベーションを与える基本原理」さらに言うと、こんな風に生きていきたいと、心から思えるような人生の方向性のことのです。

多くの人は、「自分の価値などわかっている」と考えがちです。「金」「幸福」「尊敬」など、欲望の方向性は違えども誰でも自分が何を求めているかぐらいはすぐにわかります。
しかし、「本当の価値」とは、あなたが人生でどのように行動したいのかを問い続けるプロセスです。自分に足りない要素を補うのが目的ではありません。

こう自分に問いかけてみてください。「もしすでに使いけれないほどの金を手に入れ、理想の仕事につき、毎日が幸福感に満ち溢れていて、誰からも尊敬されていたとしたら、私はどのように行動するだろうか?自分や他者との関わり方はどう変わるだろうか?」

すべてが満ち足りた状態でもなお、行動せずにはいられない物事こそが、あなたの心の底に眠る本当の価値観なのです。

5、ミシシッピ大学の「価値評定スケール」とは?

掘り出す

あなたの真の価値観を探り当てるには、どうすればいいのでしょうか?

現時点でもっとも科学的に正当性が高いのは、ミシシッピ大学のケリー・ウィルソン氏が開発した「価値評定スケール」です。

今も多くの臨床現場で実際に使われており、うつ病や不安障害などの治療に大きな効果を発揮しています。このスケールは、人生の重要な領域を12種類にわけたもので、それぞれのジャンルについて、あなたがどのように行動したいかを1~2行の短い文章で書きこんでいきます。

たとえば、

  • 「キャリア・仕事」であれば「困った人の役に立ち自分も成長する」や
  • 「余暇・レジャー」であれば「自然の中でリラックスしながら過ごす」など。

直観で重要なものだけを記入していってください。

「価値評定スケール」

  • ① 家族
    • どのような父・母・息子・娘・兄弟・姉妹・叔父・叔母でありたいか?
    • 家族の中でどのようにふるまいたいか?
    • 家族とどのような関係性を築きたいのか?
    • もし今のあなたが「理想の自分」だとしたら、家族に対してどのように接するか?
  • ② 結婚・恋愛
    • 親密な相手に対してどのような夫・妻・パートナーでありたいか?
    • 相手とどのような個性を育てたいか?
    • どのような関係性を作りたいのか?
    • もし今のあなたが「理想の自分」だとしたら、結婚相手や恋愛相手にどのように接するか?
  • ③ 子育て
    • どのような親になりたいか?
    • 子どもとどんな関係を結びたいか?
    • 子どもと接する中でどんな個性を育てたいか?
    • もし今のあなたが「理想の自分」だとしたら、子どもにどのように接するか?
    • 子どもにどのように見られたいか?
  • ④ 友人・対人関係
    • どのような友情を育てたいか?
    • 友人関係の中に自分のどのような特徴・資質を活かしたいか?
    • 自分が相手にとって最高の友人だとしたら、どのようにふるまうか?
  • ⑤ キャリア・仕事
    • 自分は仕事のどういった点に重きを置いているか?
    • 仕事をもっと意味あるものにするにはどうすればいいか?
    • 今の暮らしが理想の状態だとしたら、自分のどのような資質を仕事に活かしたいか?
    • 職場や仕事のパートナーとどのような関係を築きたいか?
  • ⑥ 自己成長
    • もっと知りたいことは何か?
    • 学習や教育について、自分はどんな点に重きを置いているのか?
    • 習得してみたい新しいスキルは何か?
    • 自分が成長するためにどんな資質を活かしたいか?
  • ⓻ 余暇・レジャー
    • どんな趣味や遊びをしてみたいか?
    • 自分がリラックスできるのはどのようなことか?
    • どんなときに1番楽しい気分になるか?
    • 新たに参加してみたい活動はあるか?
  • ⑧ スピリチュアリティ
    • 宗教、大自然、宇宙のような「人智を超えたもの」に対して、どのような関係を築きたいか?(もちろん無信心の場合は、「宗教」は無視して構いません)
    • どのような哲学的な疑問に興味があるか?
  • ⑨ コミュニティ・社会生活
    • どのようなコミュニティの1員でありたいか?
    • 地域社会にどのように貢献したいか?(チャリティやボランティアなど)
    • 自分の居場所をどのように作りたいか?
  • ⑩ 健康
    • 身体の健康について何に重きを置いているか?(疲れない体つくりや規則正しいライフスタイルなど)
    • 自分の身体をどのようにケアしたいか?(食事、睡眠、運動の改善など)
  • ⑪ 環境
    • 地球の環境について何に重きを置いているか?(公害や大気汚染など)
    • 環境の改善について貢献したいことはあるか?
  • ⑫ 芸術
    • 絵画、音楽、文学、アートとどのような関係を築きたいか?
    • どのような芸術に触れていたいか?
    • 参加してみたい芸術活動はあるか?

6、「価値」と「目標」はどこが違うのか?

考える

「価値評定スケール」で注意したいのは、自分の価値観を考えたつもりが、目標を書いてしまう人が多い点です。「価値感」と「目標」には明確な違いがあります。

目標は、ゴールがあり、クリアすれば終わり、成功や失敗があります。価値は常に現在のプロセスなので、どこまで行っても終わりはありませんし、成功も失敗も存在しません。

たとえば、「クリエイティブな仕事につく」は目標。「クリエイティブな人間でいる」は価値です。価値の裏付けがないと、目標は不安の原因になります。

たとえば、弁護士になりたいと考えて猛勉強を始めた人がいたとしましょう。この時点で、彼の頭の中には、「試験に受かる」と「試験に落ちる」という2つの未来が生まれ、将来があいまいになったぶんだけ現在との心理的距離は広がり、不安は悪化していきます。

ところが、弁護士という目標の向こうに「弱い人を救う」や「新たな知識を学ぶ」という価値観があったらどうでしょう?その瞬間から、司法試験の勉強は「他人を救うための実践の1つ」か「新たな情報を学ぶ喜び」に変わります。

遠くてあいまいだった未来が、価値観のおかげで現在進行形のプロセスに切り替わったのです。このように、価値にもとずく行為は、時間の心理的距離を「今ここ」に収束させ、未来への不安を消し去ります。長期的な目標を抱えた人ほど、価値観のメリットは大きくなっていくでしょう。

そして、記入した「価値評定スケール」に次は、人生のジャンルの「重要度」と「一致度」を10点満点で採点します。

  • 重要度・・・それぞれの価値観のついて、自分の人生にどれだけ重要か、を採点します。まったく重要でなければ1点、最高なら10点です。
  • 一致度・・・過去1ヶ月間を振り返って、自分がどれだけそれぞれの価値観にもとづいた行動を取れたか、

を採点します。まったく一致していなければ1点、完璧に一致していれば10点です。この作業でわかるのは、今のあなたがどれだけ自分の心に背を向けているかです。

重要度と一致度の数字が離れれば離れるほど、あなたは自分の価値観に背きながら生きている証拠。日々の不安やストレスは高まり、メンタルのパフォーマンスが低下する確率も高くなります。

7、さあ実践!「人生の満足度を高める自己分析」

自撮り

自分の価値観を探すのは、思ったより難しい作業です。

「価値評定スケール」に書き込むたびに、「これが本当の価値観なのか?」「こんなこと意味がないのでは?」といった思考が沸き上がり、手を止めてしまうのが普通です。

価値の明確化が難しいのは、私たちが抽象的な問題の取り扱いに慣れていないからです。古代のシンプルな環境においては、「今日の天気は?」「獲物はどこに?」といった問題だけ。人智を超えた不幸や自然現象は、精霊や妖精のせいにすれば事足りました。

「愛」や「理想」といった概念について私たちが考え始めたのはごく最近です。私たちの脳は、抽象的より具象的を扱うときにこそ、万全の機能を発揮します。たとえば、いきなり「愛とはなにか?」と問われて即答できる人は少ないが、「どんなタイプの異性が好きか?」と言われれば急に答えやすくなります。

「PPAレーティングマトリックス」とは「パーソナルプロジェクト分析」、ケンブリッジ大学のブライアン・リトル氏が考案した、自己分析メソッドです。

この手法がユニークなのは、「人生の満足度を高めるための自己分析」に特化している点です。PPAには30年以上ものデータの蓄積があり、実践した被験者は、人生の満足感が上昇することがわかっています。

ステップ①

パーソナルプロジェクトのリストアップ

「お菓子の量を減らす」や「部屋をきれいにする」「TOEICで900点を取る」「営業成績1位を目指す」「もっと良い人間になる」「何か面白いコトをする」

現時点で自分が取り組んでいることすべてがプロジェクトです。10~15分をかけて、思いつくだけリストアップしてください。

ステップ②

PPAレーティングマトリックス

プロジェクトのレーティング

リストアップしたプロジェクトから、自分が重要だと思うものを直感で10個だけ選択します。

「PPAレーティングマトリックス」表に10個のプロジェクトを書き込み、それぞれの「重要性」~「自律性」までを10点満点で採点しましょう。

それぞれの説明

  • 重要性・・・そのプロジェクトが自分にとって重要か
  • 簡単さ・・・そのプロジェクトに取り掛かるときの敷居の高さ
  • 透明性・・・友人、家族がそのプロジェクトの内容や進み具合を知ることができる、または理解できるかどうか
  • 管理性・・・そのプロジェクトに対して、どれだけ「自分でコントロールできている」という感覚があるか
  • 責任・・・そのプロジェクトには社会的な責任があるか
  • 時間適正・・・そのプロジェクトをやるだけの十分な時間があるか
  • 成功率・・・そのプロジェクトを達成、または満足できるレベルまでこなせる確率は高いかどうか
  • 自己同一性・・・そのプロジェクトが、自分のアイデンティティに沿っていると感じられるかどうか。または、自分の性格に適していると思えるかどうか
  • 他者からの重要性・・・他人から見て、そのプロジェクトを重要だと感じてくれるかどうか
  • 進歩状況・・・今の時点で、そのプロジェクトをどれだけ達成できているか
  • やりがい度・・・そのプロジェクトにやりがいが感じられるかどうか
  • 没頭度・・・そのプロジェクトに夢中になってのめり込めるかどうか
  • 支持レベル・・・そのプロジェクトを達成するためのサポートが得られるかどうか(金銭的でもアドバイスでも何でもOK)
  • 自律性・・・そのプロジェクトに対して、誰から強制されるわけでもなく「自分の意思でやる」と感じられるか

すべての採点が終わったら、各項目につけた点数を合計して、それぞれのプロジェクトの合計点を出してください。点数が高いものほど、あなたにとって重要なコアプロジェクトになります。

ステップ③

プロジェクトの上位分析

プロジェクトの上位分析

最後にプロジェクトの深掘りします。

ステップ②で浮かび上がったコアプロジェクトの中から得点が高い5つを選び、展開していきましょう。具体的には、それぞれのプロジェクトに次ぎの質問をぶつけてください。

  • このプロジェクトを含むもっと長期的なプロジェクト、
  • またはもっとスケールが大きいプロジェクトは何か?
  • そもそも自分はなぜこのプロジェクトをやっているのか?

たとえば、
「食べすぎを止める」というプロジェクトを展開

何度も問いを重ねていき、もっともトップに出てきた上位概念があなたの価値になります。リトル博士のデータによれば、だいたい5~6段目まで進んだあたりで自分の価値観にたどり着くケースが多いようです。いったん最上位の価値観が見つかれば、あとはそれに沿って毎日の暮らしをコントロールしていくだけです。

8、幸福感が高まるのは「貢献した」とき

ボランティア

本当の価値観を見つけ出す作業は難しいものです。「価値評定スケール」「PPAレーティングマトリックス」などのツールを駆使しても、自分がしっくりくるような価値が出てこないケースは多々あります。

そもそも「価値観の明確化」がヒトの生涯に反した行為なので、何も浮かばなかったとしても仕方ありません。そんなときは、「最大公約数の価値観」に従ってみるといいでしょう。多くの人に共通する価値観をとりあえず採用して、自分の不安感が和らぐかどうかを確かめるのです。

ミシガン大学が約20万人分のデータを精査したメタ分析によれば、人間は以下の4つの価値観に幸福を感じやすい性質を持っています。

  • ① 自治・・・どれだけ人生を自由にコントロールできるかどうか
  • ② 多様性・・・仕事や人間関係に多彩さがあること
  • ③ 困難・・・人生のタスクに適度な難しさがあること
  • ④ 貢献・・・他者の役に立っているかどうか

この中で、飛びぬけて影響が大きいのは「貢献」です。自分の行為が他者に良い影響を与えていると確信できたときほど、私たちの幸福感は高まります。

かつて、キング牧師が群集に語り掛けた「人生で最も永続的でしかも、緊急の問いかけは「他人のために、今あなたは何をしているか」である」という言葉は、定量的なデータでも裏付けられた事実なのです。

もし、未来の選択に不安を感じたら、試しに「誰かの役に立つ行動は何か?」を考えてみてください。その瞬間に、あいまいだった未来は「今ここ」に収束し、不安が情熱に変わります。価値観に沿った行動を取る限り、あなたの未来には、もはや失敗があり得ないからです。

まとめ

自分の「価値観」を掘り当てるのには、少し時間がかかり、難しい思いをするかもしれないが、自分の思いを深掘りしながら、本当の価値を探し当てるのは、自分の人生においてメリットが大きいことであります。

価値の多様化は、未来をあいまいな像にし、ぼんやりとした不安に変えてしまうからです。

自分にしっくりとくる価値観に出会えない場合は、試しに「誰かの役に立つ行動は何か?」を考えてみてください。その瞬間に、あいまいだった未来は「今ここ」に収束し、不安が情熱に変わります。価値観に沿った行動を取る限り、あなたの未来には、もはや失敗があり得ないからです。

次回は、「死」の解説をいたします。

誰にでも1度は必ず訪れるものです。「死」を通して著者は何を語り掛けているのでしょうか?またまた探っていきます。最高の体調で、最高のパフォーマンスを発揮して日々暮らしていけますように、お役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございます。次回もお待ちしております。

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